我が紡ぐ言の葉輝き虚空(そら)に消ゆ めでたかりけり仏の御名(みな)は
滴塵041
本文
我が紡ぐ言の葉輝き虚空(そら)に消ゆ めでたかりけり仏の御名(みな)は
形式 #短歌
カテゴリ #1.仏法・教義
ラベル #仏 #念 #光 #密教 #真言 #空
キーワード #言の葉 #虚空 #消ゆ #仏の御名 #輝き
要点
自らの言葉が虚空に消えても、仏の名の尊さと輝きは変わらずありがたい。
現代語訳
私の紡ぐ言葉は輝きながらも虚空に消えてしまうが、それでも仏の御名は尊く輝いている。ありがたいなあ。
注釈
言の葉:詩や言葉。ここでは真言。
虚空(そら)に消ゆ: 物理的な響きは空間に消えてなくなる。実体がないこと。
めでたかりけり:尊い・ありがたいことを表す古語表現。
仏の御名(みな):仏陀や阿弥陀仏などの尊い名前。真言。
解説
言葉のはかなさを通じて、仏の御名(真言)の永遠性と尊さを際立たせる短歌。虚空に消える描写は、現象の無常と仏法の恒常を対比する表現。
深掘り_嵯峨
言葉の力とその限界、そして仏の御名の不滅性を対比させた歌です。
作者が精魂込めて紡いだ「言の葉」は、輝きを放ちながらも、結局は「虚空に消えて」実体を残しません(無常)。しかし、そうした儚い言葉をもって唱える「仏の御名」だけは、「めでたかりけり」と、永遠の価値を持つと讃えられています。
自己の創作物の無常を認めつつ、それを仏の御名という真理に捧げることで、永遠の価値を獲得しようとする、信仰の境地を歌った一首です。